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にんげんをかえせ

表題の詩でご存じの方も多いと思うが、峠三吉の「原爆詩集」を青空文庫で読んでみた。

峠三吉 原爆詩集

是非一度はお読み頂きたい。

注目すべきは、その「あとがき」に記されているこの文である。

(引用開始)

尚つけ加えておきたいことは、私が唯このように平和へのねがいを詩にうたっているというだけの事で、いかに人間としての基本的な自由をまで奪われねばならぬ如く時代が逆行しつつあるかということである。私はこのような文学活動によって生活の機会を殆んど無くされている事は勿論、有形無形の圧迫を絶えず加えられており、それはますます増大しつつある状態である。この事は日本の政治的現状が、いかに人民の意思を無視して再び戦争へと曳きずられつつあるかということの何よりの証明にほかならない。
 又私はいっておきたい。こうした私に対する圧迫を推進しつつある人々は全く人間そのものに敵対する行動をとっているものだということを。
 この詩集はすべての人間を愛する人たちへの贈り物であると共に、そうした人々への警告の書でもある。

(引用終わり)

青空文庫の作品データにも記述されているが、時、アメリカ軍はプレスコード(日本に与うる新聞遵則)を指令し、進駐軍への批判、原爆の惨状を訴えることを禁止していたそうである。
その圧力の中で書き上げたのがこの詩集である。

本日の東京新聞に寄れば、GHQの情報統制の下、「一九四七年八月六日、つまり人類初の原子爆弾投下から丸二年たった日、広島市中心部では「平和音頭」にあわせて人々が通りを練り歩いた」そうである。

これを過去の話、で終わらせてはならない。

現に安倍政権下で、立憲の精神を無視した「自民草案」が起草され、憲法改悪への流れが加速しつつある。

そうすればますます言論統制、弾圧が厳しくなり、峠の述べたとおり「いかに人民の意思を無視して再び戦争へと曳きずられつつある」状況が再現される可能性は大なのである。


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